ブルーベリーの品種は大きく分けると、ハイブッシュ系とラビットアイ系に分けられます。
今回は、ハイブッシュ系とラビットアイ系の違いや歴史、育て方について解説します。
ハイブッシュ系とラビットアイ系
ハイブッシュ系(Highbush)とラビットアイ系(Rabbiteye)は、ブルーベリーの品種分類に関連する用語です。これらは、ブルーベリーの主要な栽培品種の二つの主要なグループを指します。
ハイブッシュ系(Highbush)
- ハイブッシュ系ブルーベリーは、主に北アメリカで栽培される一群の品種です。
日本では、北海道・東北・関東・中部が主な産地です。 - 樹高は通常5〜7フィート(約1.5〜2.1メートル)に成長します。
- 低温にも強く、寒冷地域でも栽培できるため、北アメリカやヨーロッパの寒冷地域で一般的です。
- ハイブッシュ系の品種としては、「チャンドラー」や「デューク」等があります。
ラビットアイ系(Rabbiteye)
- ラビットアイ系ブルーベリーは、主に南部アメリカで栽培される品種群です。
日本では、近畿・中国・四国・九州が主な産地です。 - 樹高は通常10フィート(約3メートル)に達し、大きな実をつけることが特徴です。
- 暖かい気候に適しており、主にアメリカの南東部や中南部で栽培されています。
- ラビットアイ系の品種としては、「ウッタード」や「デライト」等があります。
ハイブッシュの歴史
ハイブッシュブルーベリーは、北米原産の野生種から改良された品種です。その歴史は古く、17世紀にはすでに栽培されていた記録があります。
初期
17世紀、北米東海岸のニューイングランド地方で栽培されていたのが最初とされています。当時はまだ品種改良されておらず、小粒で酸味が強いのが特徴でした。その後、18世紀に入ると、選抜や交配によって徐々に改良が進められ、大粒で甘い品種が誕生していきます。
20世紀
20世紀に入ると、ハイブッシュの栽培はアメリカ北部を中心に盛んになりました。その理由は、ハイブッシュが寒冷地に適した性質を持っているため、温暖な地域よりも栽培しやすいという点にあります。また、病害虫に強いという点も大きなメリットでした。
20世紀後半には、ハイブッシュの品種改良がさらに進み、大粒で甘味度の高い品種が多数誕生しました。また、機械収穫に適した品種も開発され、商業的な栽培も拡大していきます。
現代
現在、ハイブッシュは世界中で栽培されています。特に、アメリカ北部、ヨーロッパ、日本などで人気があります。日本では、1920年代に導入されて以降、栽培が広まっています。
ハイブッシュは、ラビットアイに比べて栽培が難しい面もありますが、大粒で甘味度の高い果実が楽しめることから、高級果物として人気があります。
ハイブッシュの歴史における重要な出来事
- 17世紀:北米東海岸で栽培開始
- 18世紀:選抜や交配による品種改良開始
- 20世紀:アメリカ北部を中心に栽培盛んになる
- 20世紀後半:大粒で甘味度の高い品種、機械収穫適品種開発
- 1920年代:日本に導入
ハイブッシュの未来
今後も、ハイブッシュの品種改良は進んでいくでしょう。より大粒で甘味度の高い品種、病害虫に強い品種、機械収穫に適した品種などが開発されることが期待されます。
ハイブッシュは、栽培が難しい面もありますが、大粒で甘味度の高い果実が楽しめることから、今後も世界中で人気が高まっていくと考えられます。
ラビットアイの歴史
初期
8世紀後半、ジョージア州で栽培されていたのが最初とされています。当時はまだ品種改良されておらず、小粒で酸味が強いのが特徴でした。その後、19世紀に入ると、選抜や交配によって徐々に改良が進められ、大粒で甘い品種が誕生していきます。
20世紀以降
20世紀に入ると、ラビットアイの栽培はアメリカ南部を中心に盛んになりました。その理由は、ラビットアイが暑さや乾燥に強い性質を持っているため、温暖な地域でも栽培しやすいという点にあります。また、病害虫に強いという点も大きなメリットでした。
20世紀後半には、ラビットアイの品種改良がさらに進み、大粒で甘味度の高い品種が多数誕生しました。また、機械収穫に適した品種も開発され、商業的な栽培も拡大していきます。
現代
現在、ラビットアイは世界中で栽培されています。特に、アメリカ南部、ヨーロッパ、日本などで人気があります。日本では、1960年代に導入されて以降、栽培が広まっています。
ラビットアイは、ハイブッシュ系に比べて栽培が容易で、収穫量も多いことから、家庭菜園でも人気があります。また、ジャムやワインなどの加工にも適しています。
ラビットアイの歴史における重要な出来事
- 18世紀後半:ジョージア州で栽培開始
- 19世紀:選抜や交配による品種改良開始
- 20世紀:アメリカ南部を中心に栽培盛んになる
- 20世紀後半:大粒で甘味度の高い品種、機械収穫適品種開発
- 1960年代:日本に導入
ラビットアイの未来
今後も、ラビットアイの品種改良は進んでいくでしょう。より大粒で甘味度の高い品種、病害虫に強い品種、機械収穫に適した品種などが開発されることが期待されます。
ラビットアイは、栽培が容易で、収穫量も多く、加工にも適していることから、今後も世界中で人気が高まっていくと考えられます。
ハイブッシュ系とラビットアイ系の育て方の違い
ハイブッシュ系(Highbush)とラビットアイ系(Rabbiteye)のブルーベリーは、それぞれ異なる気候や環境条件に適しています。そのため、育て方にもいくつかの違いがあります。以下に、それぞれの系統の主な育て方の違いをご紹介します。
ハイブッシュ系(Highbush)
- 寒冷地域での栽培
- ハイブッシュ系は寒冷地域に適しており、寒冷地域で広く栽培されています。
- 冬季の寒冷期間を経て、初春に芽吹くことができます。
- 酸性土壌
- ハイブッシュ系は酸性土壌を好みます。pHが4.5〜5.5の範囲が理想的です。
- 肥沃な土壌が好ましく、有機物質を多く含むことが望まれます。
- 剪定
- 適切な剪定が必要で、健康な成長と実の生産を促進します。
- 古い茎の除去や、空気の通り道を確保するための剪定が行われます。
ラビットアイ系(Rabbiteye)
- 温暖地域での栽培
- ラビットアイ系は温暖な気候に適しており、主に南部アメリカなどで栽培されます。
- 寒冷地域では凍結に弱く、寒冷期に対する保護が必要です。
- 中性〜弱酸性土壌
- ラビットアイ系は、中性からやや弱酸性の土壌を好みます。pHが5.5〜6.5の範囲が適しています。
- 良好な排水性を持つ土壌が重要です。
- 自然な形状を保つ
- ラビットアイ系は、通常、ハイブッシュ系よりも自然な形状を保つ傾向があります。
- 過度な剪定は避け、自然な成長を促進します。
まとめ
ハイブッシュ系もラビットアイ系も、甲乙つけ難い魅力ある品種です。
どちらの系統も適切な水分供給、肥料、害虫管理が重要です。地域の気候や土壌条件に合わせて適切な品種を選び、それに基づいた栽培方法を採用することが大切です。
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