親が所有している農地や、知人が所有している農地をもらって自分の名義にしようと考えている人もいると思います。
今回は、農地の名義変更の手続きについてご紹介します。
農地の名義変更にはどういったケースがあるか?
農地の名義変更は、以下のようなケースに分けられます。
- 相続
- 贈与
- 売買
相続
親が農地を所有していたが、亡くなったために子供が農地を相続するケースです。
贈与
農地を所有していた人が生前に、子供や第3者に農地を贈与する方法です。
売買
農地を所有していた人が生前に、子供や第3者に農地を売却する方法です。
農地の名義変更方法
農地の名義変更は以下の手順で行います。
- 農業委員会へ所有権移転の許可申請書を提出する
- 農業委員会から所有権移転の許可が下りる
- 法務局で所有権移転登記の手続きをする
1.農業委員会へ所有権移転の許可申請書を提出する
まずは、農業委員会へ所有権移転の許可申請書を提出することから始まります。一般的には、司法書士等に依頼することが多いようですが、自分で手続きすることも可能です。
市町村によって申請書の様式は違うので、農地を管轄する市町村の農業委員会に問い合わせましょう。
市町村のホームページからダウンロードできることもありますが、直接紙ベースでの記入が必要な場合や、様式をメールで送ってくれる場合等があります。毎月の締切日が決まっている場合が多いようです。
2.農業委員会から所有権移転の許可が下りる
農業委員会の審査で問題がなければ、所有権移転の許可が下ります。
審査期間は、2週間~1ヶ月程度かかるようです。
3.法務局で所有権移転登記の手続きをする
農業委員会から許可が下りれば、法務局で所有権移転登記の手続きが可能になります。
一般的には、司法書士等に依頼することが多いようですが、自分で手続きすることも可能です。
農地の名義変更は簡単にはできない【条件がある】
農地の名義変更をする場合は、農業委員会の許可が必要になります。
農地以外の土地であればそのような許可は不要なので、それだけでも農地の名義変更はひと手間かかることが分かります。
また、名義変更の申請をすれば必ず許可が下りるというわけではなく、農業委員会では一般的に以下のような判断基準を持っています。
- 農業に従事しているか、または農業に従事ずる意志があるか
- 農地を維持管理できる能力があるか
農業に従事しているか、または農業に従事ずる意志があるか
農地は基本的に農業を継続的に営むことを前提としているので、農業に従事する意思がない人に名義変更することはできません。
農地を維持管理できる能力があるか
農業に従事する意思を示したとしても、実際に農地を維持管理できる能力があるかどうかは別問題になります。名義変更した後に耕作放棄地にならないかどうか、農業委員会は現地調査等を含めて審査を行います。現地調査した際に、農地が荒れ放題であるとか、今後も農地の維持管理が見込めない場合等は、名義変更の許可が下りない場合があります。
相続による名義変更であれば簡単にできる
農地を子供等に名義変更したい場合は、亡くなった後に名義変更した方が簡単です。
相続であれば、農業委員会の許可は必要ないからです。
贈与税のこともありますので、相続まで待てるのであれば待ったほうが良いでしょう。
まとめ
農地の名義変更方法
- 農業委員会へ所有権移転の許可申請書を提出する
- 農業委員会から所有権移転の許可が下りる
- 法務局で所有権移転登記の手続きをする
農地の名義変更は簡単にはできない【条件がある】
- 農業に従事しているか。または農業に従事ずる意志があるか
- 農地を維持管理できる能力があるか
農地の名義変更が簡単にはできないことが、お分かりいただけたと思います。
農地を保護する目的で農地法が定められており、農地の売買、譲渡、転用には規制がかかっているということなのです。
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